今月のコラム
2024/1/9
デジタルネイティブなキッズに向けて!
0歳~12歳のネットリテラシーのはぐくみ方
私たち親世代が子どもの頃とは異なり、今の子どもは生まれた時からスマートフォンやインターネットが当たり前にある環境です。
内閣府が行った調査で、小学生で約98%、中学生の約99%がインターネットを利用していることがわかっており、インターネットは生活の一部となっています。そんなデジタルネイティブな子どもたちに私たち親ができること・してあげるべきことはなんでしょうか……?
今回は、「知っておきたい子どものネットリテラシー教育」、その概要や対策ポイントなどをばっちりご紹介しちゃいます!
もくじ
そもそも「ネットリテラシー」ってなに?
ネットリテラシーとは「インターネットを使いこなす能力」のこと。具体的には、「情報の正確さを判断できる」「デジタルタトゥーを理解している」「個人情報を開示してはいけないことがわかっている」「顔の見えない相手を信用しないという意識が根付いている」ことなどを指しています。
これらネットリテラシーを身に付けていないと、不確かな情報に振り回され生活やメンタルが不安定になったり、ネット上の対人トラブルに巻き込まれたりと、リスクにさらされる可能性も!
一方で、正しい知識を身に付けておけば、リスクを回避してインターネットを存分に活用することが可能です。
例えば、動画や検索エンジンを上手に使って難しい授業の予習・復習をしたり、SNSで作品を発表したり、オンライン学習で学びの可能性を広げたり、GPSなどを利用して子どもの安全性を高めたり……!
暮らしや学びと切っても切れず、そしてとても便利なインターネット。だからこそ、恐れるよりも、早いうちからしっかりとネットリテラシー教育を行って、上手に付き合うことが大切なのです。
インターネットを上手に活用して知識や情報をインプットすれば、リアルな体験もより充実するよ!スマホやインターネットは怖くない!
ネットリテラシーを身に付けて使えば、子どもの強~いミカタになってくれるんだ!!
未就学児から小学校高学年まで!知っておきたい「ネットリテラシー教育のポイント」
では、具体的に、どのようにネットリテラシー教育をしていったらよいのでしょうか?続いて、年齢別に、ネットリテラシー教育の仕方やポイントを紹介します!
【未就学児】時間を守って動画サービスと付き合おう!
未就学児の場合は、親がスマホを使って、子どもに動画を見せるケースが多いのではないでしょうか。
動画を見せる際に気になるのが、子どもへの悪影響。「スマホ育児」などという言葉もあるように、「小さな子どもにスマホの画面を見せるのはよくない」「動画やアプリは悪影響がある」と考える人も一定数いるようです。
では、本当のところはどうなのでしょう?悪影響があるとの報告や調査は出ているのでしょうか?
実は医学的にも心理学的にも、スマホ育児や動画視聴による子どもへの悪影響の明確かつ信頼性の高いエビデンスは報告されていないようです。一方で、WHOは「5歳未満の幼児は1日に1時間以上、座ってタブレットなどの画面を見るべきではない 」とはっきりと表明しています。
まだ十分に研究されていないけれど、見せすぎはやはり悪影響が懸念される……というのが現状のよう。WHOの見解を参考に、きちんと時間をコントロールすることが肝要だと言えそうです。
また、この時期に「インターネットは時間とルールを守って使うもの」と子どもに理解させることがネットリテラシー教育の第一歩にもつながります。
【小学校低学年】まずはインプットからスタート!mamorinoもおすすめ!
子どもが自分の端末を使い出すのがこのタイミング。文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」が浸透し、いまや子どもひとりにつき1台、タブレットやPCが与えられる時代です。
学校から貸与されたタブレットでインターネットに接続したり、調べものをしたりと、未就学児とは比較にならないほどネットを活用することが増えるでしょう。
そこで意識しておきたいのが、より本格的なネットリテラシー教育です。家族でルールを話し合う、小学生向けのネットリテラシー本で勉強するなど、積極的に知識をインプットするよう心掛けましょう。
チャットや対戦といった他者とのコミュニケーションが発生するオンラインゲームなどを利用して、少しずつネットリテラシーを学ぶというのもひとつの方法です。親子で設定を確認し、一緒にプレイを楽しみましょう。
その他、スマホを持たせる前段階として、mamorinoやあんしんウォッチャーを持たせ始めるのもおすすめ。子どもの行動範囲がグンと広がるこの時期に、機能が限定された端末を使って親子でやり取りすることで、ネットを介したコミュニケーションの“はじめの一歩”が、安心して学べますよ。
【小学校高学年】SNSを意識して、キッズ向けケータイやスマホでのメッセージ交換を!
高学年になると自分のスマホを持ち始める子どもが少しずつ増えてきます。『友だちとLINEで連絡を取り合いたい』『SNSを使ってみたい』という子もいることでしょう。
そんなときに押さえておきたいのが、「LINE、Instagram、TikTok、Facebookなどには年齢制限が定められており、12歳以下は使えない」という基本ルール。なかにはプロフィールを偽ってアカウントをつくってしまう子どももいるので、まずは「子どもは使えない」こと、「プロフィールを偽ってアカウントを作るのはいけない(アカウントが削除される)」ことをしっかり伝えましょう。
その上で、この時期は、中学からのSNS使用を見据えて、SMSや+メッセージなどで、ネットリテラシーについて教えるのがおすすめです。
個人的な情報を発信しない、自分が言われたら傷つくような言葉を書いたり言ったりしないなど、親子でよりしっかりと具体的なルールを確認しておきましょう。友だちとのやり取りでトラブルがないかなど確認することも忘れずに。子どもに寄り添いながら、少しずつ、ネットでのコミュニケーションについて練習することが大切です。
友だちとのSMS交換やSNSには、情報発信の仕方を考えるようになる、語彙や表現力が高まる、クリエイティビティが開花する、より高度なITソリューションの活用法を覚えられる、共通の趣味や関心を持つ友だちと刺激しあって成長するなどポジティブな側面もたくさんあります。
SMSやSNSに使われるのではなく、使いこなせるように、過度に恐れることなく親が関わり続け、着実に教育を続けることが重要です。
内閣府の調査によると、なんと2歳児の62.6%がネットで動画を見ているそう!
小さいうちからネットに触れるのが当たり前の世の中……。だからこそ、子どもの年齢に合わせて段階的に、『まずは時間をコントロール』『キッズ向けケータイでトレーニング』『SMSでコミュニケーションを学ぶ』など、親が継続して教育をしていくことが大切なんだね!
親のスマホを貸す場合は、フィルタリングソフトを入れたり、有害広告をカットするアプリを活用することもお忘れなく!
ネットリテラシーを高めるために欠かせない、3つの要素って?
子どものネットリテラシーを高める上で欠かせないのが、継続した「会話」「寄り添い」「ルールづくり」の3つの要素。
インターネットの世界は、メッセージアプリやSNSだけでなく、ゲーム、決済と、日々、どんどん広がっています。数年後には、これまでにないような新しいアプリやサービスが台頭している可能性も。このような変化の激しい世界だからこそ、なおさら、ITと付き合う上での土台となるリテラシー教育が重要になっているのです。
小さいうちから継続して子どもと会話を重ね、寄り添い、そして親子で話し合って決めたルールをきちんと運用しアップデートしながら、ネットリテラシーを高めていきましょう。
こうしたことを意識しつつ、小学校低学年辺りから、種まきとしてキャッシュレス決済についての教育を始めておくのもおすすめです。子ども用の交通系ICカードを使ってキャッシュレス決済を体験させたり、ICカードにおこづかいを支給し、そのなかでやりくりさせてお金の使い方を学ばせたり……。
ネット×コミュニケーションだけでなく、ネット×お金(マネーリテラシー)を意識した教育を行っておくことで、将来、より安心して、子どもをネットの世界に送り出すことができます。
子どもが挨拶を自然に覚えていくように、ITリテラシーも、自然と身に付けさせていきたいもの。スマホデビュー時にトラブルに巻き込まれることがないように、今日から少しずつ、ネットについて話し合いを始めてみましょう!
「どこから始めたらいいかわからない」という場合は、親子で一緒に、ネットリテラシー関連の本を読むのもおすすめです。
幼児向けの『スマホをひろったにわとりは』(作:ニック・ブランド、訳:いしだみき、出版社:マイクロマガジン社、発行年:2020年)や、
小学生向けの『学校では教えてくれない大切なこと(12)ネットのルール』(マンガ・イラスト:関和之、編集:旺文社、出版社:旺文社、発行年:2016年)など、たくさん本が出ているので、ぜひ調べてみてくださいね!
-
スマホをひろったにわとりは
作:ニック・ブランド
訳:いしだみき
出版社:マイクロマガジン社
発行年:2020年 -
学校では教えてくれない大切なこと(12)ネットのルール
マンガ・イラスト:関和之
編集:旺文社
出版社:旺文社
発行年:2016年
インターネットは子どもの可能性を広げる便利なツール!子どもが上手に使いこなせるように、大人の力で導いてあげようねーっ!!
イラスト:上大岡トメ