今月のコラム

2023/6/1

乳歯から永久歯まで!生え始め~生え変わり期に欠かせない、子どもの歯のケア

6月4日~6月10日は「歯と口の健康週間」です。乳歯が生え始める頃や永久歯への生え変わり期、そして永久歯が生えそろう時期は、気になることがいっぱい。「子どものお口の健康が気になる」「正しいケアの仕方が知りたい」という方も多いはず。ほかにも「なかなか歯が生え変わらない場合はどうしたらいい?」「予防歯科ってなに?」などなど……。ちょっとした疑問や知りたいことがたくさんありますよね。そこで今回は、幼児期~学童期に意識したい、歯のケアのポイントをご紹介。健康な歯をつくるためのヒントをたっぷりお届けします!

もくじ

虫歯や口腔トラブルを寄せ付けない!年齢別「歯のお手入れ」のポイント

虫歯を防ぎ健康な歯を維持するには、幼児期~学童期の「歯のお手入れ」が大切だと言われています。「乳歯はどうせ抜けてしまうものだから……」と考える方もいるかもしれませんが、多くの専門家が「乳歯が虫歯になるとお口の環境が変化して永久歯が虫歯菌に侵される可能性が高まり、虫歯になりやすい」 と指摘しているのです。また、生え変わり期は歯磨きがおろそかになりやすく、ここで虫歯が増えてしまうことも少なくないといいます。そこで、年齢別の「歯のお手入れ」の仕方をご紹介。正しいケアの仕方を知り、健康な歯を目指しましょう!

【0~5歳頃】1日2回、フッ素入り歯磨き粉で歯を磨こう!

乳歯は生後5~6カ月頃から生え始めます。歯の生え始めはお口の感覚を慣れさせるためにも、濡らしたガーゼで口内を拭うなどのケアで十分。上の前歯が4本生え揃う頃を目安に歯ブラシでの歯磨きを始めるとよいでしょう。

また、歯磨きの回数は、1日2回が理想だとされています。朝・夜、2回、しっかり磨き、特に夜は、ママパパが念入りに仕上げ磨きをしてあげることを忘れずに。歯磨き粉は、歯を強化し菌の働きを弱めるフッ素入りのものがおすすめ。「たくさんつけたほうがよいのでは?」と、ついたっぷりと歯磨き粉を出してしまいがちですが、フッ素入りの歯磨き粉は年齢によって使用量が決まっています。説明等をよく読んで、適量を意識して調整しましょう。

なお、仕上げ磨きは、10~12歳頃まで続けることが推奨されています。永久歯が生え揃うまでは、乳歯と永久歯が混在して歯磨きがしにくく、磨き残しが発生しがちです。また生えたばかりの永久歯は未熟で虫歯になりやすい傾向が。ちょっと大変ですが、健康な歯のため、しっかり仕上げ磨きを続けたいところですね。

【6歳~8歳頃】もっとも虫歯になりやすい「第一大臼歯」が生えるタイミング!

6歳頃になると、まずは上下の前歯8本の乳歯が抜けて生え変わります。前歯が抜けてから永久歯が生えるまでに時間がかかり、その間、前歯のない状態で過ごさなければなりません。すると、食べ物が噛みにくくなることも……。食べ物を小さ目に切る、奥歯でよく噛むよう指導するなどスムーズに食事できるよう工夫するとよいでしょう。

ごく稀に、乳歯が抜けていないのに永久歯がおかしな位置から生えてきてしまうことがあるため、仕上げ磨きの際は、特に見えにくい前歯のうしろの辺りをチェックしておくと安心です。0歳~5歳期に引き続き仕上げ磨きを行って、念入りに見ておきましょう。

もっとも虫歯になりやすいと言われている「第一大臼歯」が生えてくるのもこの時期です。歯ブラシを奥までしっかり入れる、歯の隙間や奥歯の溝などの歯磨きに適したタフトブラシを使うなどすると、虫歯を遠ざけることができますよ。

なお、気になるようであれば、歯列矯正はこの時期に始めるとよいケースが多いとされています。顎の大きさやバランス、しっかり噛む、綺麗に発音するといったお口の機能を整え、永久歯が綺麗に並ぶよう調整することが可能!歯並びが整うと歯磨きがしやすく、噛み合わせもよくなります。虫歯の予防やお口の健康にもつながりますので、ぜひ検討してみてくださいね。

  • タフトブラシ:通常の歯ブラシでは磨きにくいところに届くよう工夫された、毛束の小さい歯ブラシ。歯と歯の間や奥歯の溝などのブラッシングに適している。

【9歳~12歳】奥歯が生え変わる時期!食事も多様に……?

9歳~12歳は奥歯が生え変わるタイミング。ちょうどこの時期に、学校でのクラブ活動や塾通いを始める子どもも多く、忙しさにかまけて歯磨きがおろそかになってしまうことも。「親がしっかりと声かけを行うこと」「歯磨きの状況をチェックすること」「週に数回でもいいので仕上げ磨きをやめないこと」が大切です。

また、この時期は、「子どもの歯肉炎が増える時期」だと言われています。文部科学省の「学校保健統計調査 」によると、なんと「小中学生の約4割が歯肉炎になっている」のだそう!原因は、多くの場合、「歯磨きがしっかりできていないこと」だといいます。まずは日常の歯磨きと仕上げ磨きをていねいに。歯ブラシを歯の表面に対して90度に当て小刻みに動かす、タフトブラシやフロスを活用するなど工夫するとよいですよ。出血、痛み、歯茎のブヨブヨ感がある場合は迷わず歯医者さんに相談しましょう。

最後に「第二大臼歯」が生えてきて、生え変わりが完了します。

フロス、タフトブラシ、フッ素入りの歯磨き粉を活用しよう

右から、6~12歳用の握りやすい歯ブラシ、タフトブラシ、子ども用のフロス。上にある糸巻きタイプのフロスも子どもの歯のお手入れに使えます

歯磨きだけで済ませてしまいがちな「歯のお手入れ」ですが、フロス、タフトブラシなどのデンタルケアアイテムを活用するとよりいっそう効果的に汚れを除去することが可能です。

特に歯と歯の間の汚れ!歯間の汚れは歯ブラシだけでは落とすことができず、フロスの使用が不可欠です。 いちごやみかんなどの味がついた、風味のある、ハンドル付きの子ども用フロスも出ているので取り入れてみてはいかがでしょうか?使い方は簡単。日常の歯磨きのあと、歯と歯の隙間にフロスを入れて、歯の側面に沿わせて上下に動かし汚れをこそげ取るだけ。できれば毎日使いたいところですが、難しいようなら週2回ぐらいからのスタートでもOKです。

タフトブラシは、歯並びの悪いところ・奥歯の奥・前歯の裏などに有効です。気になるところに差し込み小刻みに動かして使いましょう。

フッ素入り歯磨き粉は、スーパーやドラッグストアで手軽に購入できます。「どれかよいかわからない」という場合は、歯医者さんに相談してもOK。菌の働きを抑えることがわかっていますので、ぜひ日常の歯磨きに使うようにしてみてくださいね。

子どものお口のつよ~い味方、「子ども予防歯科」ってなに?

「歯医者さんは虫歯の治療に行くところ」、そんなイメージをお持ちの方も多いと思うのですが、「虫歯になる前に行く」「虫歯にならないために行く」歯医者さんがあるのです。それが予防歯科。もっとも虫歯になりやすい第一大臼歯などに虫歯予防の詰め物をするシーラント(歯を削らずに奥歯の噛む面の溝の部分にプラスチックを埋め込んでコーティングすること)をしてくれたり、定期的にフッ素塗布やクリーニング、歯磨き指導をしてくれたり……。お口を健康に保つための処置をしっかりしてもらえます。「歯の健康ノート」「デンタルノート」を発行してくれる歯医者さんも!

通院頻度は歯医者さんやお子さんの状況によって異なりますが、1カ月~3カ月に1回程度のことが多いようです。 かかりつけの歯医者さん、もしくは小児歯科、予防歯科を推進する歯科医院などで、ぜひ気軽に相談してみてくださいね。

デンタルノート

歯医者さんに行きたくなる、歯磨きがしたくなる!楽しくお口のお手入れをするコツ

子どもが歯医者さん嫌いになる原因は、なんといっても「治療が痛いから」!虫歯になる前に歯医者さんに行くようにすれば「歯医者=痛い」というイメージにならずにすみ、そもそも虫歯になって痛い治療を行うこと自体を避けられます。

また、歯医者さんに通えば、歯科医師や歯科衛生士から正しい歯磨きの仕方を教わることもできます。8歳以下の子どもは、もともと手先の器用さの問題で、完全な歯磨きは難しいとされています。ですから、歯医者さんでプロから歯磨きの仕方を教えてもらい少しずつ慣れていくのがいちばんです。

そしてなにより子どもにとってプラスになるのが、親が楽しく歯を磨く姿を見せること!お気に入りの歯磨き粉を見つけたり、アプリを使ってゲーム感覚で歯磨きをしたり、ぜひ親子で、お口のケアを楽しんでくださいね!

監修者プロフィール

坂部潤先生
日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。4児の父。小児歯科、小児矯正歯科の専門医院であるキッズデンタル(目黒・成城・麻布・代々木上原・麹町)代表を務める。「中学3年生で虫歯ゼロ・きれいな歯並び・正しい咬み合わせ」を目指し小児に特化した治療を実践。あわせて、積極的な啓蒙活動にも取り組む。

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