今月のコラム

そもそも豆まきって、いつ、なんで始まったの？

豆まきは、季節の変わり目に起こりがちな病気や災害を鬼に見立てて追い払う行事。もともとは中国の風習で、大晦日に宮中で行なわれていたそうです。これが日本に入ってきて、平安時代に日本の宮廷で行われるようになり、その後、節分（立春）の風習として一般に広まったのだとか！

豆をまくのは、魔を滅するもの、魔の目にぶつけるものだから。魔滅、魔目から、豆を投げるようになったとされているんですよ。

ちなみに、節分の日付は、2月3日に固定されているわけではありません。太陽と地球の位置のズレによって2月2日や2月4日になることも！　国立天文台暦計算室によると、次は2025年に、2月2日の節分がやってくる予定。間違えないようにしたいですね！

鬼ってナニモノ!?

「オニ」とは、「得体の知れないもの」「この世ならざるもの」のこと。神さまや目に見えない悪しきもののことを「穏ぬ（おぬ）」と呼び、次第に「オニ」と呼ばれるようになっていったのだとか。これに、中国から入ってきた死霊を意味する言葉「鬼（グゥイ）」の響きや意味が重なって、やがて、妖怪、幽霊、仏教などのさまざまなイメージをあわせもった、現在のこわ～い鬼の姿形が出来上がったんだって！（諸説あり）

ちなみに節分の鬼は、五行や仏教の思想などに基づいて、一般的に赤鬼・青鬼・緑鬼・黄鬼・黒鬼の5種類とされています。それぞれの色に意味があるので、ぜひ覚えて、さらに豆まきを楽しんじゃいましょう！。

• 

  赤鬼：欲望や渇望の象徴

  すべての欲望を象徴する鬼。
  豆をぶつけて追い払おう！

• 

  青鬼：憎しみや怒りの象徴

  悪意や憎しみを持った鬼。
  追い払うことで福徳に恵まれる

• 

  緑鬼：怠惰や不健康の象徴

  怠け者で不摂生な鬼。
  自分や家族の健康を願って豆を投げよう

• 

  黄鬼：後悔や我執の象徴

  後悔ばかりの自己中心的な鬼。
  退治して、広い視野と心を取り戻そう！

• 

  黒鬼：疑いの象徴

  悪口、愚痴、疑いの象徴する鬼。
  豆をぶつけて卑屈な心を遠さげよう！

世界の鬼を見てみよう！

鬼は日本だけのものではありません！　世界各国にも、さまざまな鬼や、鬼らしきものが存在しています。超メジャーな「吸血鬼」から、幽霊のようなビジュアルが印象的な「無常鬼」、決まった形がない!?インドネシアの「オゴオゴ」など……。世界の鬼や鬼に類するものを紹介します！

吸血鬼（ヨーロッパ）

スラブ語で死から蘇った人を意味する「バンピル」という言葉や、トルコ語で魔女を表す「ウピル」という言葉が語源だとされている「ヴァンパイア」。ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』（1897）やその映画(1957年)がきっかけとなり、黒マント、貴族服、牙などの特徴を持ったビジュアルイメージが定着しました。
牙を持つという点で日本の鬼と通ずるところはありますが、ずいぶんとスマートでカッコイイ見た目ですよね！

無常鬼（中国）

無常鬼は、死者をあの世に連行する中国の死神。縦長の白帽子と白い装束が特徴で、口から長～い舌を出していることもあります。白無常と黒無常のペアで描かれることもあるのだとか。
日本の鬼とはずいぶん異なり、幽霊っぽく、そしてなんとも不吉なビジュアル……。国による“鬼”観の違いがよくわかりますね。

オゴオゴ（インドネシア）

バリの伝統行事「オゴオゴの儀式」に登場する悪者。特に決まったデザインや様式はなく、住人がバンジャール（村）単位で、悪魔や鬼のような見た目の巨大なオゴオゴを製作し、儀式当日、街を練り歩きます。日本で言うねぶたや山車のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
バリ島ならではの独特の色彩やデザインが見もの！　鬼のようでもあり、神のようでもある、なんとも迫力のある悪者が揃います。

貴族のような佇まいのカッコイイ鬼から、幽霊、神様まで、世界の鬼は実にバラエティ豊かです。日本の鬼だけでなく海外の鬼にも目を向けて、親子で、その姿かたちや鬼払いの方法などを調べてみるのも楽しいかもしれませんね。

イラスト：上大岡トメ