今月のコラム

2022/9/1

2学期開始! 子どもが楽しく学ぶためのストレスとの向き合い方

長かった夏休みももう終わり。いよいよ2学期の始まりです!
しかし、長期のお休み明けはどうしても本調子に戻りにくいもの。「なんとなく元気が出ない」「ちょっとだけ調子が悪い」、そんな子どもも多いのでは? そこで今回は、夏休み明けのストレスと上手に付き合うためのヒントをお届け。マンガでわかりやすくポイントをお伝えします。

2学期に入って気になるのが、夏休みが明けたあとの子どもの様子。1学期と変わらず元気に学校に通っている子もいれば、ちょっと元気がない子、調子が出ない子、朝なかなかスッキリ起きられずに困っている子などもいることでしょう。

そこで今回は、東京都公立学校スクールカウンセラーで臨床心理士の吉田美智子先生をお招きしました。スクールカウンセラーとは、学校の相談室でこころやからだに関するお悩みを聞いたり、アドバイスしてくれたりする専門家のこと。学校生活で感じるストレスを軽減するため、平成7年から文部科学省管轄のもと全国の小中高校に配置されるようになりました。

教育の現場で親子と向き合う、まさに心理相談のプロフェッショナル! そんな吉田先生に、「休み明けの子どもの不調ってどんなもの?」「どんな風に接すればいいの?」など、素朴な疑問についてお聞きします!

「長期のお休み明けの不調は、決して珍しいことではないんですよ」
こう語る吉田先生。ここ数年は新型コロナウイルスの影響もあり、外で遊べず思うようにストレスが発散できない子、不安を抱えて調子を崩す子も少なくないのだとか。だからこそ意識したいのが、親がゆったりと構えること。あわてずに、まずは規則正しい生活を送るなど基本的なことをやってみてくださいね。

「規則正しい生活を送ろうとしても、なかなかできない…」、そんなときも焦らないで。
「学校が始まって、最初は調子が出ないな〜と言いながらも、通っているうちに少しずつ整ってくるものですから、大人が焦りすぎないこと、 プレッシャーをかけないことが大切です」と吉田先生。

くわえて、「『夏休みにいっぱい遊んだでしょ』とばかりに、子どもの遊び時間・ダラダラ時間を削りたくなるものですが、新学期で疲れやすい子どもにとって遊び・ダラダラ時間は自分のペースを取り戻すために必要なので、尊重してくださいね」とのアドバイスも。子どものペースで、ゆっくりと穏やかに調子を整えていきましょうね。

早寝早起き、3食しっかり食べるなどの基本的な取り組みは、家族で実践するとよりよいですよ。ママ、パパ、兄弟姉妹と一緒に楽しく生活改善をすることで、モチベーションが上がり、取り組みが続きやすくなります。

また、会話をするときは、変に意識せず、普段と変わらないコミュニケーションを取るようにするとGood。様子の変化について聞くときも、“自然にサラリと”を心掛けましょう。決して問い詰めたりせず、子どもを安心させてあげてくださいね。

「それでもなかなか調子が出ない、なんだか状態が悪くなっているみたい…、そう感じたら、まずは担任の先生に相談を。必要に応じて、スクールカウンセラーの先生につないでくれますよ。
地域によってスクールカウンセラーが月1回しか学校に来ないなど、予約が取りづらい場合があります。その場合は、お住まいの自治体に『教育相談センター』などの名称で、無料で相談できる窓口がありますから、これも担任の先生に聞くか、ネットで検索してみてくださいね。
また、子どもが腹痛や頭痛などを訴えるとき、日中も眠気がとれない、顔色が悪いなど不定愁訴を訴えるときなどは、医療機関の受診が必要なことも。まずは、かかりつけの小児科に相談してみてはいかがでしょう」、こう話す吉田先生。

身近なところにも、親子をサポートしてくれる専門家はたくさんいます。まずはあまり構えずおおらかに子どもを見守り、困ったなと感じたときは、抱え込まず周囲の専門家に気軽に相談してみましょう!

監修者プロフィール

吉田美智子先生

臨床心理士・公認心理師。東京都公立学校スクールカウンセラー。
親子が無理なく笑顔になれる子育てのヒケツを届けながらカウンセリングを行う。

マンガ:上大岡トメ

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