今月のコラム

2022/9/30

もうすぐ読書週間!
子どもの読書への興味を引き出すコツ&親子で読みたいおすすめ本

10月27日~11月9日は読書週間です。読書には、「知識や語彙が増える」「想像力がアップする」「感性が育まれる」など、子どもの持つ力を伸ばす要素がいっぱい!では、子どもの読書への興味を引き出すにはどうすればよいのでしょう?読書の習慣を身に付けさせるコツ、取り組みのポイントとは…?今回は、読書の魅力、読書を促す本棚づくり、親子で読みたいおすすめ書籍などについて紹介します。

もくじ

子どもにとって、なぜ読書が大切なの?

読書は、「語彙が増える」「想像力が増す」「思考力が身に付く」「豊かな感性が育つ」「普段なかなか体験できないようなことに関する知識が得られる」など、さまざまな面で、子どもの成長や学習の助けになります。

テレビやインターネットなどに比べて光や刺激が少ないため、落ち着いて情報に向き合える・ストレスの軽減やリラックスにつながるといったデータも。イギリスのサセックス大学が行った、読書・ゲーム・散歩など行動の種類別に心拍数や筋肉の緊張緩和を計測し、ストレスの度合いを調べた結果によると、6分間の読書によって約7割もストレスが軽減されることがわかっているそうです(なお、ゲームは約2割、散歩は約4割のストレス軽減効果があると発表されています)。ほかに、読書をする子どもは集中力があり学力が高い傾向が強いこと、職業に対する意識が高い(就きたい職業について明確に回答できる)ことも、出版社や研究機関による調査によって示されています。

また、大人による読み聞かせについても、まだ字が読めない子どもにとっては「耳と目で語彙を増やすことができる」、字が読めるようになったばかりの子どもにとっては「字に気を取られず物語と絵に集中でき、理解力が高まる」といった効果が!

小さい頃から読書に慣れ親しみ、読書を積み重ねることによって、こうしたさまざまな教育的後押しを受けることができます。3年、5年、10年と続ければ、知識量・語彙量、集中力・思考力が大幅にアップ!学力や生きる力の土台として、子どもにとって読書はとても大切なものだと言えるのです。

みんなはどうしてる?読書習慣を根付かせる“本棚づくり”のコツ

では、読書習慣を根付かせるにはいったいどうすればよいのでしょうか?ポイントは「本に触れる機会をとにかくたくさんつくる」こと!子どもと一緒に図書館や本屋さんに行ったり、大人が読書に親しみその姿を子どもに見せたりするとよいでしょう。

ほかにぜひおすすめしたいのが「自宅に子ども用の本棚をつくる」こと!子どもの目線の高さに合わせた本棚を用意したり、リビングや寝室など子どもがよく過ごす場所に本棚を置いてみたりと工夫すると、子どもが本にグンと興味を持ちやすくなりますよ。

ここからは、本棚づくりのコツをご紹介。「実際に子ども用の本棚をつくってみた!」「子どもが本好きになった!」というご家庭の例を交えながら、そのポイントを確認していきましょう。

ポイント① リビングや寝室など、子どもが長く過ごす場所に本棚をつくる!

本棚は子どもの目に付きやすい場所、子どもがよく過ごす場所につくると効果的。子ども部屋だけでなく、リビングに本棚を設置するご家庭も多いようです。親子の寝室に本棚を設置して、毎晩、寝る前に読み聞かせをしているというご家庭も。ほかに、廊下、階段などよく通る場所に本棚を設置したり、トイレに本棚をつくっているご家庭もあるようです。

キッチンカウンターの下の空きスペースに本棚を設置しているご家庭も!本がスッキリと収納できて見た目もGood!
親子の寝室や子ども部屋に本棚を設置している例も多くあります。ベッドの近くに本棚があると寝る前に手に取りやすく、読書が習慣化しやすくなるようです。添い寝が必要な小さいお子さんの場合は、ママパパと「今日はどの本を読む?」など会話のきっかけになることも

ポイント② 表紙が見えるように置くなど、並べ方にも工夫を

本を並べるときは、子どもの目線の高さを意識しましょう。子どもが見やすく、手に取りやすい位置に表紙が見えるように置くと興味を引くことができますよ。本は定期的に入れ替えて飽きが来ないようにするとよいでしょう。手づくりのPOPで華やかに装飾しているご家庭もあるようです。ほかに「大人の本棚の中に子どもの本を置き、親子で本を楽しむようにしている」というご家庭も!

ただ本棚をつくるだけでなく、飽きさせないようにすることがポイント!見せ方・置き方、入れ替えのペースなど工夫してみて

親子で読みたい!年代別おすすめ書籍

最後に、子どもだけでなく親が読んでも楽しいおすすめ書籍を「未就学」「低学年」「高学年」の年代別に紹介します。気になる本があったら、ぜひチェックしてみてくださいね。

未就学児におすすめ!

  • ベストセラー

    「だるまさん」シリーズ(作:かがくいひろし 発行:ブロンズ新社)

    • あらすじ

      愛嬌のあるだるまさんが「どてっ」と転んだり、「ぷっ」とおならをしたり。オノマトペを交えて豊かな表情を見せてくれます。親子で笑って楽しめる定番絵本!

    • ここがおすすめ!

      シリーズ(計3冊)累計発行部数551万部のベストセラー。難しい表現はいっさいなく、音の楽しさ・動きの豊かさで魅せる絵本です。「本って楽しい!」、そんな感覚を育むのにぴったり。読書の第一歩としておすすめ。

  • 編集部おすすめ

    あなたがだいすき(作:鈴木まもる 発行:ポプラ社)

    • あらすじ

      ゾウやクマが子どもを抱きしめ、チーターや恐竜が子どもを背に乗せて走る…。さまざまな動物がただただやさしく子どもを包み込むおはなし。

    • ここがおすすめ!

      我が子への愛情がめいっぱいに詰まった絵本。子どもだけでなくママパパの心にも響く内容になっています。特に最後の見開きが感動的!ぜひ実際に手に取って、どんな締めくくりなのか確かめてみてくださいね。

  • 話題の著作者

    ポジティブどうぶつえん(作:ぺこぱ 絵:ア・メリカ 編:倉本美津留 発行:岩崎書店)

    • あらすじ

      困ったことが起きてもめげない動物が集まった動物園のおはなし。「バナナの皮ですべって転んだサルが、皮をソリにして遊ぶことを思いついた!」など、ユニークなエピソードがいっぱい!

    • ここがおすすめ!

      「ポジティブツッコミ」でおなじみのお笑いコンビ、ぺこぱ作の絵本。なんでも前向きに変換してしまうぺこぱの芸風が発揮された内容で、とにかく明るく、元気な気持ちになれます。

小学校低学年におすすめ!

  • 話題の著作者

    あるかしら書店(著:ヨシタケシンスケ 発行:ポプラ社)

    • あらすじ

      「あったらいいな」と思うような夢の本や、本にまつわるグッズが盛りだくさんの本屋さん、「あるかしら書店」のおはなし。

    • ここがおすすめ!

      話題の絵本作家ヨシタケシンスケさんの絵本。満月の夜しか読めない本、読書サポートロボなど、ユニークな本やアイテムが多数登場します。「本屋さんに行きたい」という気持ちを高めてくれる楽しい絵本です。

  • 編集部おすすめ

    教室はまちがうところだ(作:蒔田晋治 発行:子どもの未来社 )

    • あらすじ

      「はじめからうまいこといえるはずないんだ」「はじめからうまく答えがあたるはずないんだ」、そんなメッセージにあふれた、ある教室の様子が描かれた絵本。

    • ここがおすすめ!

      元教員の蒔田晋時さんが書いた詩がベースになっている絵本。多くの教育関係者に推薦されています。学校に行きはじめた子や、学校が少し辛いなと感じている子におすすめ。学校の本来の楽しさ、自由さ、教育の本質が表現されています。

  • ベストセラー

    1日10分でちずをおぼえる絵本(作:あきやまかぜさぶろう 発行:白泉社)

    • あらすじ

      都道府県の場所・特徴・名産品などが、親しみやすいイラストでまとめられた絵本。

    • ここがおすすめ!

      「とりのかたちはぐんまけん」「じどうしゃのかたちはさいたまけん」など、都道府県のかたちを動物やものに例えて紹介しているところがポイント。「覚えやすい」「子どもが夢中」と好評です。親が読んでも発見があり、ためになる内容!

小学校高学年におすすめ!

  • ベストセラー

    ふしぎ駄菓子屋 銭天堂(作:廣嶋玲子 絵:jyajya 発行:偕成社)

    • あらすじ

      悩みを持つ人だけがたどり着ける不思議な駄菓子屋、銭天堂。店主が売る「ふしぎ駄菓子」をきっかけに、愉快な話や心温まる話、怖い話と、さまざまな物語が展開。

    • ここがおすすめ!

      2022年に第3回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」で第1位を獲得した人気作。決して楽しいだけではなく含みのある物語で、大人も楽しめる内容になっています。複雑な物語を楽しめるようになってきた高学年児にぴったり。

  • ロングセラー

    ぼくらの7日間戦争(作:宗田理 
    発行:KADOKAWA/角川つばさ文庫)

    • あらすじ

      廃工場に立てこもり大人に反旗を翻す、少年少女たちの冒険物語。校則を押し付ける親や教師たちと、あの手この手を使って戦い、悪い大人たちを懲らしめる!

    • ここがおすすめ!

      1988年に映画化され大ヒット。子ども時代に読んだ・見たというママパパも多いのでは?親の立場になって子どもと一緒に読んでみると、新たな発見があるかもしれません。子どもとの意見交換も盛り上がること間違いなし!

  • 不朽の名作

    レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』(新潮社文庫刊)(著:レイチェル・カーソン 訳:上遠恵子 発行:新潮社)

    • あらすじ

      雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬…。自然のなかを姪の息子とともに探検し、瑞々しい感性で綴った、抒情的エッセー。

    • ここがおすすめ!

      「沈黙の春」の著者として知られる作家・レイチェル・カーソンの作品。自然の美しさ、素晴らしさ、厳しさや畏怖などが、繊細な筆致で描かれています。地球環境について考えるきっかけにもなる1冊。ぜひ親子で読んで意見を交わしてみて。

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